今年に入ったくらいから、自分の作る物に対して随分と悩んでいた。
自分の作りたいものってなんなんだろう。
自分の作っているのものってなんなんだろう。
言葉は悪いが、自分の作るものはおもちゃのように思えた。
なにかのレプリカ。
本物ではない。
じゃあ本物ってなに?
偽物ってなに?
考えだすと作る気力がなくなった。
手を動かしても、違う。と手が言う。
小さいものが好きだし、じゃあ彫金がやりたいのかな?と思ったりもしたけど
それもなにか違う。
少し人の作品を見てみてることにした。
そこでわかったのは、デザインの好き嫌いはとりあえず置いておいて、
「丁寧に作ってあるもの」をよしとしているということ。
どこかに妥協が見えたり、見えない部分が雑なものを
自分が買う分にはいいんだけど、人に出すのは嫌だということ。
私の作るものは、デザインが凝っているわけでもないし、すごく個性があるわけでもない。
だけど、最低でも丁寧に作ろう。
そう思いました。
それから、
今まではやっぱりちょっと、無理矢理感があった気がする。
それは「これとこれを合わせたら面白いんじゃない?」という
ワクワクから作品が産まれていたからなんだけど、
使いたい塗料の性質と使いたい材料の相性があってなかったりした。
それがわかっていても「工夫したらいけるんじゃない?」と
無理矢理行程を増やしてでも使いたいものを使っていたんだけど
失敗も多いし、何度も作るのがとてもしんどくなってくる。
作り続けるには
正しいものを正しく使うのはすごく大事なんだと、学びました。
そういう気持ちの紆余曲折を経てできたのが
「わたしの庭」という作品です。
私の中では、ザ・アクセサリーという感じ。
「パーツ」「金具」として売られていたものを、
パーツはパーツとして金具は金具の特徴を活かして、そのまま使った。
こういうことを今まであまりしてこなかった。
これからこういうものをまた作るかはわからないけど
心に残る作品です。